2013年6月29日土曜日

山の診療所の一日

修了生の揖斐・菅波です.
私は今,坂内国保診療所に週3日勤務しています.
高齢化率がH20の統計で56%(今では60%程度?),後方病院まで約40分の郡部診療所です.


これは診療所裏口からの風景です.山の中です.

先日のある一日のスケジュールを紹介します.

午前:住民健診&往診・自宅訪問
真昼:サービス担当者会議,昼食,walking
午後:外来,往診
夕方:研修生振り返り

最近,自分が1日に出会う,新規の訴えの数,バリエーションなどについてまとめてみたいなあと思っています.慢性期の定期診療の方でも,実はけっこう新たな相談事があったりします.
非常に多彩で,未分化で,わけのわからんことが多いです.
以下にその日にあった新規の訴えの主なものを書き出してみます.(受診の8割(もしかしたら9割?)以上が高齢者です.)

1.      夜間頻尿
2.      両下腿浮腫
3.      労作時の胸のえらさ
4.      食思不振(死別反応)
5.      背中のしこり(感染性粉瘤)
6.      左肩痛(上腕二頭筋長頭腱炎)
7.      体中の発疹(急性蕁麻疹)
8.      慢性の嘔気
9.      ふらつき
10.   夜間手足がつる
11.   額がかゆい(薬剤性日光過敏疑い)
12.   今後こちらにかかってもよいか

などです.
最近頻度が増えたと感じる訴えは,ふらつきです.
夏場の水分管理と関連しているように思います.

少し前は,肺炎の多い時期がありました.
気温の変化が大きい時期だったように思います.

みなさんの地域では,季節ごとに多い疾患・訴えの変化があるでしょうか.
季節との関連も調べていくと面白いかもしれないなあと思います.

いずれにしても,多彩な訴えになんとか応えられるように,日々頑張りたいと思います.


あぜ道のさきの,左側にあるのが診療所です.


(参考:山田隆司、吉村学、名郷直樹ら:日常病・日常的健康問題とは--ICPC(プライマリ・ケア国際分類)を用いた診療統計から(第1報)--.プライマリ・ケア:P8089, Vol.23 No.1 2000
→もしよかった原著シェアしていただけますか?

2013年6月28日金曜日

地域医療魚沼学校湯沢塾

修了生の高橋です。

湯沢町保健医療センターで勤務しています。

湯沢のある魚沼地区では、「地域医療魚沼学校」と称して、
住民主体の健康づくりのため、健康を住民のみなさんと考えることをテーマに、
さまざまな活動をしてます。

その活動の一環として、
今日は健康教室のために、町内の公民館へ、役場の保健師、栄養士と、新潟大学6年の実習生と行ってきました。

今年の健診の結果を振り返って、今後につなげることがメインテーマでした。

参加者は10人程度で、ざっくばらんにいろいろなお話ができました。

6年の実習生は
「みなさんお若くてお元気でびっくりしました!」
と感想を言ってくれました。

診察室でお会いする顔と、普段の顔は全然違いますね。
みなさんとても活き活きしておられました。

以前、指導医に「地域医療は病院を出てからがナンボだ!」
と言われたことがあります。

普段はなかなかできない発見もあり、私も大変勉強になりました。

これからも活動を継続したいですね。

新潟大学実習生と地区のおじさん





2013年6月11日火曜日

地域医療のススメ・シニアレジデントミーティング

こんにちは、揖斐・菅波です。

6/16/2に東京でシニアミーティングを行いました。
全国の研修施設で働く、指導医、指導スタッフ、卒業生、シニアレジデント、ジュニアレジデントが東京に集まりました。
参加者は全員で40人くらいになりました。
6/1の宴会の様子です。
 


個人的には6/2も宴会やったら盛り上がったのになと思いました。(実際は無理)

6/2のミーティングでは、①思いのたけ発表会、②OHSU研修報告会、③スーパーバイザーとの振り返り、④指導医説明会を行いました。




思いのたけ発表会ではジュニアレジデント、シニアレジデント、卒業生、指導医の先生方にそれぞれの思いを聞かせてもらいました。

地域医療のススメでは、全国の他施設で、各々のレジデントが各々の患者さん・地域と向き合って研修を行います。
それぞれ異なる研修を行いますが、実は似たような経験もしていて、似たような所で悩んだり、不安を感じていたり、面白さを感じていたりします。(もちろんぜんぜん違う経験も大事です。)

そういった経験や、それぞれの経験の中でうまれた思いをいろんな立場の医師・スタッフの輪の中で発表し、酒の肴にしようという企画でした。(実際には飲んでません)

ジュニア1名、シニア3名、卒業生1名、指導医1名に発表をいただきました。



強行日程でしたので、それぞれ話し足りない、聞き足りないところもありましたが、それぞれの思いにふれて、熱くなる2日間でした。

みなさまいろいろありがとうございました。

2013年6月10日月曜日

運動を兼ねて…

大平@女川町です。

病院の裏に神社があります。ただしそこへ行くには200段の階段が…。

登ってみました(あえて一段抜かしで。さすがに息が切れる…)。



女川湾が一望できます。
海の風景は相変わらず綺麗ですが、町並みはすっかりなくなってしまいました。
ですがよく見ると、かさ上げ工事をしているのが分かります。

普段私は、住民の皆さんに対して、少しでも役に立てたらという思いで仕事をしていますが、診察室で話をしていると、逆に皆さんから元気をもらうことも多いように思います。

新しい町並みができるまでには相当の年月がかかることが予想されますが、きっとそれまで、そしてその後も元気に生活しているのではないか、そんな光景が浮かびます。

生まれ変わった町、今から楽しみです。

2013年6月9日日曜日

指導医のサイトビジット報告(東京・奈良編)

湯沢町保健医療センター井上です。

6月1~2日と「地域医療のススメ」の年度頭のミーティングが行われました。
シニアレジデントだけでなく指導医や興味があって参加してくれた協会ジュニアレジデントの「思いのたけ発表会」、メンターから名称を変えたスーパーバイザーとレジデントの顔合わせと、ちょっと遅くなりましたが今年度の目標設定も行われました。
久しぶりに全員が集まっていろいろと話ができたいい機会でした。

さてそれをうけた訳ではないのですが、4日に東京北社会保険病院、5日に市立奈良病院にサイトビジットに出かけてきました。今回は以前までの地域の施設ではなく、都市部の基幹型研修病院です。
4日は東京北社会保険病院で小児科研修中の堀田先生、救急研修中の望月先生とお話をしてきました。東京北社会保険病院は湯沢からも行きやすく、時々お邪魔している病院です。ジュニアレジデントもフルマッチを続けている人気研修病院です。「地域医療のススメ」のレジデントも総合診療科、小児科、放射線科、皮膚科、整形外科などで研修にお世話になっています。初期研修が東京北社会保険病院で、その後「地域医療のススメ」のプログラムに入ってくるレジデントもいるので非常に関連のある病院です。
当日はサイトビジットだけでなく、私の勤務する湯沢町保健医療センターで地域医療研修をした元ジュニアレジデント(今はシニアやスタッフになっておられますが)にもお会いする事ができて良かったです。

翌日5日は市立奈良病院のサイトビジットに出かけてきました。
奈良に行く前に、京都にできた地域医療振興協会の新しい西日本事務所を見学してきました。是非一度「地域医療のススメ」のミーティングを事務所の会議室でやってみたいと思いました。
お昼は学生時代(私は京都大学の卒業で学生時代6年間京都に下宿していました)によく行っていたお好み焼き屋さんに行って来ました。20年たっても変わらない、おいしいお好み焼きでした。

さて市立奈良病院ですが、今年の1月に新病棟が出来上がったばかりです。景観に配慮されて5階建ての低めの高さで屋根も瓦屋根?をイメージしたような形です。まだ全てが完成しておらず一部工事がつづいていますが、診療はすべて新病棟で行われています。すべて完成するのは来年の4月とのことでした。
市立奈良病院の新病棟
市立奈良病院で研修中の漆原先生も小児科研修中。経験している疾患等も東京北社会保険病院とほとんど変わらないようでした。市立奈良病院での「地域医療のススメ」レジデントの小児科研修は漆原先生で二人目になるのですが、今後も指導医の先生と連絡をとりながら進めていきたいと思いました。
市立奈良病院も関西で人気の研修病院です。初期研修医も多く、活気があるなと感じました。

「地域医療のススメ」は全国にある協会の施設を使って研修をしています。
全国の施設の指導医の先生達に支えられていることを実感したサイトビジットでした。