2014年12月29日月曜日

海外留学行ってきました。

 修了生の長坂です。

 報告が遅くなり年末になってしまいましたが、今年の10月、1か月間の短期ですが海外留学に行かせていただきました。本当は後期研修の期間中に行く予定だったのですが、英会話の勉強が進まず1年延びてしまいました。

 後期研修プログラム「地域医療のススメ」では研修中に最長で3か月間の海外留学に行くことができます。後期研修医だけでなく地域医療振興協会の職員であれば海外留学制度は利用できるようです。

 今回行かせていただいたのはアメリカ、オレゴン州のポートランドにあるオレゴン健康科学大学(通称OHSU)です。オレゴン州やポートランドは日本ではあまりなじみがないかもしれません。実際私も今回行くことになるまでどこにあるか知りませんでした。オレゴン州はアメリカ西海岸の北の方で、カリフォルニア州とワシントン州の間にあり、消費税がありません。ポートランドはオレゴン州最大の都市で、札幌とほぼ同じ緯度にありますが、札幌ほどは寒くないようです。


丘の上にあるOHSUのトラム乗り場から見た景色

 OHSUにはアメリカでも有数の家庭医療のレジデンシープログラムがあり、家庭医が専門医として地位を確立しているアメリカでの家庭医療の現場、研修・教育の方法を見学させていただきました。大まかな内容は、クリニックでの外来見学、病棟見学、ナーシングホーム見学、訪問診療見学、プリセプティングの様子、行動医学の勉強会への参加、学生のOSCE見学、へき地での医療、針治療外来見学、等でした。
 印象に残ったことは多数ありましたが、プリセプターが常に待機しており、レジデントがいつでも相談できる環境はいいなと思いました。外来での診療時間も日本と違い、1人に対し15分~30分ほどの枠がとられていました。また、麻薬に関しての考え方もイメージと違っていて、アメリカでは麻薬を積極的に利用していると認識していたので、麻薬に対し肯定的な考えを持っていると考えていましたが、実際は麻薬依存、使用量の増加が問題になっているようで、「日本にはアメリカと同様の道を歩んでほしくない」とのOHSUの医師の言葉が印象的でした。そして、アメリカ全体がそうではないようですが、カルテ開示に関してもOHSUは先進的で、患者さんはインターネットやアプリを用いて、自分のカルテを自宅などで確認でき、医師も自宅でカルテを確認でき記載もできるようでした。
 日本に導入したいシステムや、参考にしたいことはたくさんありましたが、医療のレベルや教育に関しては、日本もそんなに負けてないかなと感じました。
 
 医療の見学だけでなく、もちろん観光もしてきました。ちょっと足を延ばして、シアトル、ロスアンゼルス、NBA開幕戦や広大なアメリカの大自然も堪能してきました。
オレゴンの海岸線

NBA開幕戦
ポートランドトレイルブレイザーズ(白)

オレゴン州の南部、クラマスフォールズにある病院

 アメリカの医療現場や文化に触れられ、考えていた以上に有意義な留学だったのですが、ただ一つ問題があったとすると、それは最後まで英語がわからなかったということでした。
 2週間ぐらいすれば聞き取れるようになると聞いていたのですが、そんなことはないということがわかりました。

 ただ、英語がわからなくてもみんな親切に接してくれ、何とかなりました。せっかくの制度なので英語ができないからと消極的にならず、多くの人に体験してもらいたいと思います。

 

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2014年12月7日日曜日

初積雪

修了生の揖斐川町春日診療所の太田浩です。

揖斐川町初積雪でした

診療所の窓から撮影
出勤して、玄関前の雪を片付けました。

午後まで降り続き、2件あった臨時往診は行くのに一苦労。
雪の日でも体調が悪い人もいますね。

住民は雪が降ると雪かき、外出も大変です。
住民の苦労をほんの少しだけ感じられます。

翌日。昨日、往診した患者さん。
日曜日だけど点滴に行きました。
日曜日なので、娘と妻も一緒に診療所に行き、
私は往診へ、妻と娘は診療所の駐車場で雪遊び


3才なので雪だるまも小さいサイズ。
往診患者さんは体調も改善。明日からは飲み薬に変更。
娘は、地域のおばあさんに遊んでもらっていました。

四季を感じながら、地域を感じながら、家族も一緒に楽しみながら。
地域医療は楽しいですね。

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2014年11月29日土曜日

診療所医師の短期研修。1週間小児科研修にいってきました。



修了生の揖斐川町春日診療所の太田浩です。

地域医療振興協会では、診療所医師向けに1週間研修制度があります。
代診は、近隣施設、または、本部の医師派遣委員会の斡旋で来てもらえます。

東京北医療センター小児科に1週間お世話になりました。
小児科病棟ではチーム制で入院患者さんを担当していました。
病棟はチームにつかせていただき、入院患者さんを見せていただきました。
その他、乳幼児健診、予防接種、救急外来、神経外来、初診外来など見せていただきました。

自分でも行っている小児の外来、予防接種、1歳半健診について、小児科医の対応の仕方を見て学びました。
また、日々の疑問も質問できました。

普段見ていない入院も、発症からの病歴をたどると、どれくらいで小児科に紹介になり、どれくらいで入院するのか、入院してからどんな経過をたどるかをしることができました。
あと、病院の感染管理、医療廃棄物の処理の対応も観察してきました。
診療所の参考になります。

たまたま手元にJIM 2007年の9月号がありました。
※JIMはプリマリケア、総合診療向けの雑誌です。
特集は子どものミカタ
家庭医にとっての小児医療を考えなおしてみます

Editorialで藤沼康樹先生が、都市型家庭医に必要な子ども診療の要素をあげています。
1、予防接種をはじめとした予防的介入
2、乳幼児健診によるゲートキーパー機能と育児支援
3、笑って来院する日常病の子供の診断治療(重い症状の子供は直接病院に行きます)
4、家族志向性ケア、すなわち一家の主治医機能
(道路事情が改善されて、田舎でも小児科はそんなに遠くない。田舎でもこれは当てはまりますね)

また、五十嵐正紘先生が
非小児科医の小児診療レベルアップ生涯教育のポイント
という記事を書いています。
・かぜっぴきの医師であることの誇りと喜び
・これからのプライマリケア小児医療の特徴
1、事故防止
2、望ましい生活習慣の形成
3、健全な心の子の育成
4、救急患児のトリアージ能力
(個人的に補足すると、家庭医としては、中等症以上の救急を見抜き、紹介することでしょうね。)
・個別の学習よりも学習方法の学習を
この中で他の医師の外来を見学する「見修」が大事と書かれています。

今回は見修でした。
小児科の医師、看護師がとても親切でした。
いろいろなことを学べました。
ありがとうございました。
東京北医療センター、いいところでした。

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2014年10月27日月曜日

初期研修医に家族志向型ケアの講義をしました



修了生の揖斐川町春日診療所の太田浩です。

先日、市立奈良病院の初期研修医のみなさんに家族志向型ケアのお話をしました。
地域医療のススメ修了生でもある、市立奈良病院の総合診療科の西村先生の企画です。
初期研修医向けに総合診療セミナーが市立奈良病院で開催されています。
素晴らしい活動です。

初期研修医向けに家族志向ケアの話ということで,少し緊張しました。
初期研修の頃は、病棟、救急の診療で精一杯で、家族関係から医療をみてみるということに関心を示してくれるかどうか・・・

代表者に医師、患者役でロールプレイしてもらいました。
患者の希望、家族関係を聞いてもらい、みんなで家族図を描く実習を行いました。

また、その家族図、情報をもとに、家族カンファレンスを行いました。
患者役、長男役、次男役、医師役で2グループでロールプレイ。

みなさん、家族図もしっかり書いてくれました。
家系図だけでなく、職業、居住地などの情報も書き込んでくれました。
ロールプレイも盛り上がりました。

進行がんの事例、介護力が弱い中、家に帰りたい本人と、心配だから入院してほしい家族。

2グループとも、退院するけど、ご飯を食べれなくなったら、入院
という方針でした。
答えはないですね。

最後まで家
食べれなくなったら入院
ずっと入院

家族関係、状況などにより、方針は変わります。
家族背景を踏まえて、コミュニケーションをとる過程が重要ですね。

私自身も家族志向ケアの勉強になりました。
見直すと、使えてない場面もあります。
教えることは学ぶことですね。

同期の西村君との再会もうれしかったです。
西村君の活躍にも刺激を受けました。



参考図書
http://www.amazon.co.jp/%E5%AE%B6%E6%97%8F%E5%BF%97%E5%90%91%E3%81%AE%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%82%A2-%E6%9D%BE%E4%B8%8B-%E6%98%8E/dp/462106245X/ref=pd_sim_b_27?ie=UTF8&refRID=10JVDTYAM3YECHTJAPZ1




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2014年10月1日水曜日

スワンソン勉強会始めました!(家庭医療の米国の問題集)

修了生の春日診療所太田浩です。
地域医療振興協会、家庭医療後期研修でスワンソン勉強会を始めました。
アメリカの家庭医療の問題集です。(米国家庭医療専門医試験対策でしょうか?)

 初回は10名の参加。テレビ会議
湯沢、春日、岐阜、神津島、恵那、東海、磐梯をつなぎました。
後期研修医、日本の家庭医療専門医、米国家庭医療専門医、自治医大卒業生、初期研修医、総合病院の内科後期研修と幅広い参加者。
ALL JADECOMでみんなで学んでいきたいです。
あ、もちろん、修了生で退職した人も参加OKです。

テーマは急性ST上昇心筋梗塞。
t-PAやヘパリンの話題もあり、日本では、循環器の話題で、ちょっと難しい部分もありました。継続は力なりですね。
診療所勤務で心筋梗塞は初期診断、すぐ紹介という感じなので、とても勉強になりました。
 

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2014年9月21日日曜日

介護施設スタッフとの勉強会

本文

 久しぶりの投稿です。終了生の横田修一です。
 
 
 9月19日金曜日に町役場で介護施設職員を対象とした勉強会に出席しました。
 会の内容は「施設で知っておきたい医療知識について」というものでした。
 私の所属する複合施設には診療所と老人保健施設があり、常勤医師2名、兼務2名と応援の先生を加えて5名で待機の体制を組み、また老健施設には24時間で看護師さんが常駐していますが、町内の施設(特別養護老人ホーム、グループホームなど)では医師や看護師などの医療職が常駐していないところも多くあります。一方で、介護施設に入所する高齢者は健康問題を多く抱えていることあり(例えば認知症、糖尿病、脳梗塞後の麻痺、転倒骨折後など)、介護職員が(医療的な側面から)どのようなことを考えてあプッローチするか、ということを勉強するものでした。
 今回はアドバイザーというお仕事をいただき、勉強会の企画段階から関わらせていただきました。近隣の診療所で勤務をする先生方の協力もいただきました。よくある事例をいくつか取り上げて、利用者のリスクやその対応についてグループディスカッションをしてもらいました。例えば「85歳認知症の患者さんが左の大腿部から腰にかけて痛みを訴えているがどのようなリスクがあり、どのように対応するのか?」というものです。
 グループワークを通じて思ったことは、介護職員さんの医療に対する関心の高さや自己学習をとても熱心にされているということでした。加えて、痛みの中には明らかな器質的原因がなく寂しさや気にかけて欲しいという欲求から訴えをする人もあり、日頃の様子との比較が大切という意見も出され、病気ということだけでなく、生活全体を見る介護の視点ということを学びました。
 高齢者は複雑な疾患背景を抱えていることが多く、加えて症状の発現に乏しく、時にご自身の不調を的確に表現できないことがあり、であればこそ日頃の生活をよく知る介護職員からの情報が特に重要になると思われます。今回の勉強会は相互の理解を深め、より適切なケアに繋げる第一歩になったのではないかと思います。
 今後も同様の活動に積極的に参加していくとともに、私からも正しい医学知識を伝えられるように勉強していきたいと思いました。末筆ですが、勉強会をお手伝いいただいた先生方に心からお礼を申し上げたいと思います。


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OHSU家庭医療科の先生方とのかかわりを通じて

本文



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地域医療のススメ S3の堀田紗代です。
岐阜県の揖斐郡北西部地域医療センターの吉村先生のもとで研修をしています。

先週、JADECOMEと交流のある米国のオレゴン健康科学大学(Oregon Health& Science University; OHSU)の家庭医療科レジデントのErica先生が、揖斐に来られました。
一緒に在宅患者さんのご自宅やグループホームに訪問診療に行き、外来患者さんの診察もされていました。

私は今年6月の1ヵ月間、オレゴンで研修させて頂いたので、今回はその逆バージョンでした。
日本と米国の両方の医療を1人の研修医の先生と共有できたことは、私にとってとても素晴らしい経験でした。

また、週末にOHSU家庭医療科のFran教授もお招きし東京北医療センターでインターンシップと勉強会がありました。
勉強会のうち、ポートフォリオ勉強会を私が担当させて頂き、揖斐で経験した終末期の患者さんの診療を通じて感じたこと、学んだことをまとめて発表しました。
ポートフォリオは、自分の感情をありのままに書くものなので、それを勉強会という形で海外からの先生を含めて共有することに正直少し抵抗がありましたが、実際には多くの学びを得ることができました。

私が特に印象に残ったのは、終末期にかかわることは、家庭医にとって誇りである、というFran教授のお言葉でした。

終末期医療は、ゴールが死、と決まっていて、正直あまり関心を持てない時期もありました。けれど、医学的な緩和ケアとしての薬の調整などだけでなく、患者さん家族とのかかわりがいかに大切かを学びました。それを医師としての誇りと感じることができれば、これからはもう少しいい関わりをしていけるのではないかと思っています。


写真は、勉強会の様子と集合写真、Erica先生と医学生さんとの3ショットと、そして少し前の揖斐郡北西部地域医療センターの夏祭りです。





2014年9月20日土曜日

家庭医療専門医試験、全員合格しました!

チーフレジデント、ゆきあかり診療所高橋毅です。

本年7月に今年度の家庭医療専門医試験がありました。

地域医療のススメからは昨年卒業した5名の修了生の先生方が受験され、

見事!全員合格しました!

それぞれの先生方が、着実に実力をつけてきた証だと思います。

チーフレジデントとしても、みんなそろって合格できたことをとても嬉しく思います。

今後は、受験を控えている研修生にも力を還元してほしいなと思います。

また引き続き、みんなで学び合い高め合っていきましょう!


リンクは、学会HPに載っている、家庭医療専門医についての一般向けの説明です。
これに書かれているような医師になれるよう頑張りましょう!

http://www.primary-care.or.jp/public/primarycare_iryo.pdf

高橋


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2014年9月4日木曜日

診療所で勉強会を開きました。

ゆきあかり診療所、高橋です。

当診療所では、今年4月より南魚沼市の受託予防接種医療機関として、
小児の予防接種をはじめました。

予防接種は体系的に学ぶ機会が学生時代を含めてとても少なく、
これまでも接種はしていましたが、どうしても忘れがちだったり、
きちんとした知識が入っていなかったりという分野でした。

聞くと、当診療所スタッフもみんな同じような状況だったので、
これを機にみんなで勉強しよう!ということで、
昼休みを利用してスタッフみんなで定期勉強会を開くことにしました。






電話問い合わせ、予約の調整等も含めて、
予防接種はスタッフみんなが関わることだったので、
皆の知識が深まり、とても有意義な勉強会となりました。

予防接種は、
どうしても「予約があれば打ちますよ」という受け身の姿勢になりがちです。

適切な情報提供を行いながら、積極的な予防接種ができる医療機関になりたいですね。

そして、自分だけで学ぶのではなく、スタッフみんなで学ぶことで、理解がより深まることが実感できました。
医師は一人ですが、信頼できる仲間がいるこの診療所で、
みんなで学び合って、よりよい診療ができるように、これからも成長していきたいです。

高橋 毅

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2014年8月22日金曜日

地域医療実習を終えて

岐阜県の揖斐郡北西部地域医療センターで実習させて頂きました、
大阪医科大学5年生の亀山はるかです。

「地域医療のススメ」ブログで久瀬診療所のおきざり実習に興味を持ち、夏休みを利用して1週間実習させていただきました。実際に訪問診療を行っている患者さん宅に数時間(時に宿泊も)”おきざられる”経験は、他の何によっても得ることのできない貴重な経験となりました。

「事件は外来で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」と言うと、どこかの名言のようですが…() はじめは、知識、身体診察、その他多くのことに自信がなく、現場に行くのを恐れていた私ですが、たった1週間で、独りおきざられても患者さんやご家族からお話を伺い、診察を行い、少しですが判断もできるようになりました。それは先生方のむちゃぶりと手厚いサポートによるところも多大にありますが、何より実際に訪問診療に同行させていただいて、困っている人のために何とかしたいと奮い立たされたところが大きいと思います。

不調を訴えて外来に来られる患者さんは、夜も眠れなかったかもしれません。心配してご家族も夜眠れなかったかもしれません。その方はどのような家族構成のどのような役回りの方なのか、普段の生活は、ご近所付き合いは…。地域医療実習がなければ、気付かなかったこと、感じなかったこと、毎日多くのことを考えさせられ、多くのことを学びました。

お忙しい中、私の成長度に合わせ様々な気づき、勉強をさせてくださった、久瀬診療所、老健の皆様、
いつも学生を温かく受け入れ、激励の言葉までかけてくださった、患者さんご家族の皆様、
1週間本当にお世話になりました。

ぜひまた実習に伺いたいです。



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2014年8月17日日曜日

振り返りの会やっています

修了生の春日診療所の太田浩です。
テレビ会議勉強会を紹介したいと思います。

地域医療のススメでは、後期研修が複数の診療所、病院で勤務しています。
いろいろな施設、地域に触れるのは多様な学びがあります。
学びをより深めるためにネットのテレビ会議勉強会を行っています。

第2木曜日 振り返りの会
第4木曜日 ポートフォリオ勉強会

先日、振り返りの会が開催されました。
印象に残った事例について、後期研修医が振り返り、後期研修医、修了生、指導医がコメントします。
上手くいったこと、いかなかったこと、困ったこと、もやもやしたことをシェアします。
言語化すること、共有することで、感情や学びが整理されます。
仲間のコメント、つながりにほっとすることもあります。
振り返りが明日への活力になるといいですね。

後期研修1年目の医師の感想もよかったです。
『振り返りを発表すると、自分の中で整理される。温かいコメントもいただけてよかった』

後期研修医の振り返り内容
小児のぜんそく、運動誘発ぜんそくは、受診時、症状がないときは、呼吸機能、ピークフローは正常のこともある
アルコール性肝炎で、断酒しても、黄疸が進行した事例

修了生の振り返り内容
診療所所長として、職員と面談
診療所外来で医師、看護師で役割分担して、認知症評価、対応を行う

私もとても勉強になりました!
続けていきましょう



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2014年7月13日日曜日

原点は、同期の友人、春日、5の軸、全体を取り扱う方法を考えろ

研修修了生の太田です。
岐阜県の揖斐川町春日診療所に勤務して、5年がたちました。

先日、岐阜大学で学生さん向けに話をしました。
地域医療ゼミで1時間
といってもランチョンの自由参加の会でしたので、10数名の参加でしたが。
学生のとき医療面接の勉強会でお世話になった藤崎先生
春日に3日実習に来た医学生さん
春日出身の看護学生さん
春日で学生さんと住民に一次救命処置勉強会を行ったときに来てくれた学生さん
も来てくれていてうれしかったですね。

地域医療・家庭医療の話をしました。
自分らしい、自分の長所を活かした話は何かを考えたところ、

2025年の高齢化の問題とか、地域包括ケアの話ではなく、

私自身が、春日で、患者、家族、地域と文化や歴史の一端に触れながら、継続的にかかわって行った医療のエピソードを匿名性を保ちつつ、話をしました。
話をすることは振り返ること。

私の地域医療・家庭医療の原点は、

同期の友人(学生時代の家庭医療の勉強会の友人、後期研修の同期)
春日(地域での生の経験)
地域医療の5の軸
全体を取り扱う方法を考えろ
ですね

地域医療 5の軸 
  1. 患者によって自分を変える。
  2. 患者や問題の種類により差別をしない。
  3. 生物学的問題だけでなく心理社会的問題も重視する。
  4. 臓器・ヒトにとどまらず、家庭・地域も視点とする。
  5. 診察室に来ない人のことも考慮する。
 名郷直樹 レジデントノート Vol11 No11 2010

五十嵐先生のインタビュー記事
あらためてジェネラルを師に学ぶ 月刊地域医学 Vol22 No11 2008

http://www.jadecom.or.jp/pdf/gekkanchiikiigaku/22_11.pdf#search='%E4%BA%94%E5%8D%81%E5%B5%90+%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E5%8C%BB%E7%99%82'

初期研修、後期研修の同期との再会(平成26年1月)

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診療所の歴史

修了生の太田浩です

揖斐川町春日診療所の太田浩です。
診療所の歴史について。

春日村診療所は、春日村の診療所でした。
医者探しに困り、当時の役場職員が自治医大地域医療学教室にお願いに行き、医師派遣してもらうことになりました。(自治医大の卒業生ではなく、地域医療学教室という医局)
途中から地域医療振興協会の公設民営に
そして、町村合併で揖斐川町春日診療所になりました。
私は赴任して5年がたち、6年目です。
前任者は9年勤務していました。
前々任者は2年勤務
前々々任者は3年勤務
その前の1年間は、自治医大地域医療学教室の派遣の開始で月変わりで医師が来ていました。
数えると、自治医大地域医療学教室と地域医療振興協会で20年目です。
長い長い積み重ね。
そして、20年以上前の診療所からの積み重ね。

勤務すればするほど、歴代の医師、長く務める看護師、事務への尊敬の念が募ります。
特に9年務めた前の医師は、すごいなぁと常々思います。
歴史に感謝ですね。


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2014年3月30日日曜日

小学校での健康の授業

修了生の太田浩です。
岐阜県の揖斐川町春日診療に勤務して5年たちます。

3月に小学校で健康の授業を行いました。
年に1回、3月に行っています。
毎年、違うテーマで4年目です。
たばこ、お酒、ストレスときて、今回は、認知症でした。

授業は、学校保健委員会という会と併催しています。
学校の先生、PTA,母親委員、保健師、歯科医師、薬剤師、学校医があつまる会です。
生徒だけでなく、いろいろな人に見ていただくことで、みんなで考えていくことができます。
今年は、研修医、医学生、保健師と一緒に授業をしました。


保健師さんと医学生には劇をしてもらいました。
認知症のおばあさんがお財布をなくして、盗まれたと勘違い。
そんなおばあさんと孫は喧嘩をしていしまいます。
おばあさんを助けてうまく財布を探すにはどうしたらいいのか、研修医に解説してもらいました。


このあと、生徒のみなさんに、おばあさん役、孫役になってもらい、うまくおばあさんを手伝ってあげる声かけをロールプレイで練習しました!

介護士さんも来てもらう予定でしたが、当日、都合が悪くなってしまいました。
認知症の高齢者とかかわるコツ、介護士の楽しさについて、手紙を代読。

そのあと、学校保健委員会で、授業の感想をみなさんからお聞きしました。
お母さんの1人が、
「いつも学校では、生徒をたくさん褒めてから、なおしたほうがいいところを伝えてくれている」
と言っていました。

高齢者、認知症の方々がテーマの授業でした。
人に親切にする、人を尊重するには、まず、自分自身が認められる経験が重要ではないか
お母さんの意見を聞いて思いました。

4年間授業を行ってきましたが、本質は一緒だと思いました。
生徒自身が認められて、尊重されていれば、
未成年の喫煙、飲酒のような、悪い誘いには断って、自分を大切にできます。
ストレスに強くなれます。
認知症の人にも優しくできます。

子どもを尊重し、いいところをほめて、子どもが自分を認め、大切にできるようになるといいですね。
そんなことを感じました。

昨日、診療所にハガキが届きました。
一緒に授業を行った学生からお礼の手紙と国家試験合格の報告でした。
うれしいですね。


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2014年3月16日日曜日

医者再開します。

修了生の佐藤優子です。昨年9月の『主婦しています。』以来の投稿です。
生活が落ち着いて来たので、ぼちぼち医者を再開していました。

この半年で主に2つの事をやりました。
①研究のつづき
②診療所勤務の準備

①研究のつづき
医者をしていると、高齢者の胃瘻や経管栄養に関して悩む事が多くありました。
『事前指示』があったらいいのにな、とよく思いました。
湯沢勤務時代にたくさんのスタッフにそんなことを相談していました。

その後出産、退職し、皆さんから頂いた貴重な意見をまとめたり(分析)、同じ分野の研究を集めて読んだりする(先行研究から学ぶ)作業を怠っていたのですが、診療所勤務が始まったらまた精一杯な日々になってしまうので、昨年12月に先行研究から学び、分析しました。名郷先生や夫に相談しながら。

『医療従事者は事前指示に対してどのように考えているか(質的研究)』演題番号:O-037
5月の日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で発表するので、お時間がある方はよろしくお願いします。

分析してみて初めて見えて来た事もあり、誰かのお役に立てたいと思います。

②診療所勤務の準備
4月から浜田市国民健康保険診療所連合体 波佐診療所で週2日だけ働く事になりました。
(夫と同じグループですが別の診療所です。)

自分も家族も色々色々準備がありましたが、その中から2つ紹介します。

•看護•事務実習
年々、医師以外の職種の『身になって考える』ことがしにくくなるように感じていました。

地域医療振興協会にいた間、転勤でいくつもの病院に勤めてきました。『初期研修の頃のように看護•事務実習がしたいな。』と思いながら、毎回医師として働き始めてしまうと目の前の患者さん、家族、地域のことで精一杯になりました。

なので、今回は勤務開始前に看護•事務実習をさせていただきました✨

結果、診療所の5人のスタッフの役割分担、患者さんの方を向いていて誠実な姿勢、雰囲気の良さなどなどが分かりました。
ここで働ける事はうれしい、微力ながらがんばろうと思いました。
写真はその際に見せていただいた『薬袋』です。
地域のある方が作られて、診療所に通院される方々に配っているそうです。
波佐診療所はへき地なため?院内処方なのですが、皆さん受付の時に持参された『薬袋』を渡し、会計時に薬の入った『薬袋』を受け取って帰られていました。

•知識の整理
出産などで年単位で完全に医者を休むと、その間使っていなかった知識は薄れ、技能は衰えます。
せめて知識だけでも『保存』しておいて、『取り出せる』ように。
後期研修の頃から、勉強した事、先輩医師に教えてもらったこと、自分が経験したことなどをメモに残してパソコンに貯めてきました。
2月からこのメモをざーっと見直して、薬剤等『波佐診療所』ならどうするかを書き加える作業を始めました。
また、これを機にエバーノートを活用し始めました。(画像を貯めやすそう、メモにリンクを作って他のメモに貼れるので整理しやすそう、だったので)
写真は『糖尿病』のメモです。リンクがたくさん貼ってあります。

この作業で1年半前の自分には戻れる感覚があります。
しかし‥大変。まだ勤務の『準備』なのに、自分が寝不足になったり、子供達にしわ寄せが行ったりてしまう日もあります。

バランス、バランス。

自分が長持ちするよう心がけようと思います。 



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2014年3月7日金曜日

タイからの留学生との交流

揖斐・菅波です。
先週、チェンマイ大学とコンケン大学からタイの医学生が研修に来てくれました。






トムヤンクンを作ってくれました。
おいしかったです。


留学生、優秀です。


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冬季セミナー② ポケットエコーのワークショップ

揖斐・菅波です。

冬季セミナーではポケットエコーのワークショップを写真のメンバーで開催しました!
ゆきあかり診療所・高橋先生は、上越新幹線ストップで来れませんでした。残念!

小林先生ありがとう!
勉強になりました。
皆でできてうれしかったです。

後光が差しています。












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プライマリケア連合学会 冬季セミナー①

こんにちは。揖斐・菅波です。
2月15-16日、雪の東京で開かれた冬季セミナーの模様を報告します。

二日目にJADECOMのJ1~9年目のメンバーで集合!



赤門前。雪でした。



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2014年2月16日日曜日

冬の湯沢の研修

本文

湯沢町保健医療センターで研修中の中山総一郎です。
越後湯沢は小説「雪国」の舞台であり、本当に雪がよくふります。地元の人は今年はそれほどでもないといいますが、歩道の横には身長ぐらいある雪の壁ができています。
最近の研修はどうかといいますと、高齢者が調子を崩すので入院も増えますし、スキーリゾートである関係上、冬場は人口が増えて外来は増えていますから、仕事が増えてきています。特に、関節の脱臼や骨折といった外傷を診療する機会がふえますので、救急医療を勉強するのには冬はいい時期だと思います。
また、冬の寒さはどうかといいますと、室内は暖房がしっかりしているのでそれほど苦になりません。ただ、下宿の暖房代はかかります。
興味を持たれるようでしたら見学はいつでも可能ですから遊びにいらしてください。


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2014年2月6日木曜日

雪掘り

ゆきあかり診療所の高橋です。

毎日寒い日が続いていますね。
当診療所のある新潟県南魚沼市は、全国に名立たる豪雪地帯です。
毎日深々と雪が降り続いています。

今日は我々の朝の日課をご紹介します。

それは「雪堀り」です。

雪堀り?と思う方もいるかもしれませんが、

雪かきのことを当地区では「雪掘り」というのです。

これがなかなか体に堪えます。掘っても掘っても終わりません。

さすがに雪掘りというだけあります。












そして毎朝毎朝やっていますが、次の日にはまた同じくらい雪が積もっています。

さすがに豪雪地帯というだけあります。












ただ、地元の方は、この生活を毎日毎年やってきているんですよね。

堪えるなんていわずに当たり前と思えるようになったら、
私も立派な南魚沼の地元民になれるのでしょう。



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2014年1月29日水曜日

カーリング始めました


 久しぶりの投稿になります、後期研修3年目の長坂です。現在は北海道池田町にある十勝いけだ地域医療センターに勤務しています。

 
 北海道は雪のイメージですが、ここ十勝地方はそんなに降りません。「十勝晴れ」という言葉があるくらい晴れの日が続きます。


 これは帯広空港で撮ったものです。 この写真ではちょっと雲が多いですが、普段はもっと青空で、そんな日が続いています。
 今日も天気が良くて気持ちがいいなぁ、といった感じですが、


 朝9時半ぐらいでこの気温です。バックは青空なんですがね・・・
 日中の最高気温も氷点下です。雪はそんなに降らないのですが、ずっと溶けません。

 北海道あるあるですが、十勝の小学校や中学校にはホントに校庭にスケートリンクがあります。写真を撮りたかったのですが、小学校の写真を怪しげなおっさんが撮っていたら通報されそうなのでやめときました。
 もうじき冬季オリンピックが始まりますが、スピードスケートの日本代表に十勝関係選手が7名いるそうです。小さいころからスケートに慣れ親しんでいるのですからそれも納得です。池田町出身が2名います。

 私もせっかくなので氷上のスポーツをやってみようと思い、カーリングを始めました。


 池田町にもカーリング場があります。テレビで見た方もいると思いますが、オリンピックなどのカーリングは屋内でやっていたと思います。ですが、池田町のカーリング場は屋外です。氷点下の中、氷の上ですので極寒です。
 さらに、ナイター設備もありますので夜間でも行えます。


 -10℃を下回る中でプレーします・・・


 と医療とは全く関係ない話でしたが、こんな感じで北海道ライフを満喫しています。

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