2015年5月31日日曜日

【近日発売】テイラー先生のクリニカル・パール

ススメ卒業生でシティ・タワー診療所の田中です。


前揖斐郡北西部地域医療センター センター長で現宮崎大学医学部地域医療・総合診療医学講座 教授の吉村学先生が監訳した「テイラー先生のクリニカル・パール1 診断にいたる道筋とその道しるべ」が近日発売されます。
http://www.amazon.co.jp/dp/4895928225

今回はオレゴン健康科学大学医学部 名誉教授 Robert B. Taylor 先生の2013年の書籍を翻訳しました。私や「地域医療のススメ」の卒業生が翻訳のほとんどに関わっています。
http://www.amazon.co.jp/dp/1461411106

皆さまぜひお手にとってみてください!

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2015年5月27日水曜日

主治医となって

本文
主治医になって


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初めて投稿させていただきます、東京北医療センターにてS1として総合内科をローテーション中の山田恵梨子と申します。


東京北に来て2ヶ月程経ちました。


専修医1年目となって、初めて主治医を経験しました。今までの病院では
”担当医”という位置づけで雑務を行うことがほとんど…主治医という立場で仕事をしていくことで
仕事への向き合い方、取り組み方も大きく変わりました。


主治医となって驚いたのは、”患者さんの今後”について自分で考える・他職種と話す時間がとても高い割合を占めていたということです。
介護保険・自宅の状況・服薬管理や食事の状態はどうか・その方のADLやその変化、家族背景まで今まで勤めていた急性期病院ではあまり考えたことのない内容ばかりでした。


しかし、主治医となった今 医療ではなく患者さんとしっかり向き合えているなと感じられています。




東京北医療センターでは文献や2次資料(Uptodate/Dynamedなど)の調べ方・評価の仕方・使い方までシニアでも基本的な部分からしっかりと教えていただけます。また、どこの病院でも行われているであろう抄読会もアッと驚かされます。今までよりも文献が早く・有効に読める極意をしっかりと教えていただけます。




この2か月間で今まで英語の論文やUptodateを使ったことのなかった私が、今では必要不可欠なツールの一つになっています。


東京北医療センターはシニアの方でもEBMについて基本的な部分からしっかりと学べますので、初期研修医で手を動かしてきたみなさんにもとてもお薦めです!


今回は初々しい内容になってしまいましたので、次のブログでは東京北の成長を残せたらなと思います!


失礼します!




山田 恵梨子

2015年5月24日日曜日

地域医療古都始めの日程が決まりました!

プログラム責任者の井上です。

「地域医療のススメ」では、夏に奈良を中心として、「地域医療古都はじめ」という医学生・研修医向けのイベントを行っています。
平成25年は京都にある地域医療振興協会の西日本事務所、平成26年は市立奈良病院と都祁診療所で行いました。
今年は7月25日 土曜日に協会の奈良の診療所群が中心になって開催することになりました。
詳細な内容が決まりましたら、またブログなどでご紹介したいと思います。

ご興味のある方は、是非ご参加ください!
お待ちしております!


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2015年5月22日金曜日

サイトビジット:東京ベイ浦安市川医療センター救急科

プログラム責任者の井上です。
2年前にサイトビジット報告を書きましたが、その後続かず昨年はブログを書くことがありませんでした。どうも最初に写真をいれて書き込んでしまい(自分としては力入れすぎました)、以後なんとなくカメラを持っていくのを忘れたりしたものですから、サイトビジット自体は行っていたのですが、ブログでの報告は途絶えてしまっておりました。

今年度、また気合も新たに、力をいれずに報告したいと思います。

さて一昨日今年度初のサイトビジットに行ってきました。 場所は浦安にある東京ベイ浦安市川医療センターの救急科です。先日ブログをかいておられた児玉先生が救急研修中だったので、伺ってきました。
地域医療のススメの研修では、救急やICUの研修でお願いすることが多くなっています。
東京ベイ救急科のHPは以下になります。
http://www.tokyobay-mc.jp/medical/detail/184
http://www.tokyobay-mc.jp/er/
東京ベイの救急はなんといっても断らないというのがすごいと思います。私自身も自分の勤務している湯沢町保健医療センターで救急に携わっていますが、断らないことの難しさをいつも感じます。
今回 児玉先生との面談のあとに1時間ちょっと実際にERにお邪魔して、児玉先生の診療をみるだけでなく、ERの雰囲気やどんな患者さんがきているのか、レジデントに指導医の先生がどのように接しておられるのかを見せていただきました。幅の広い年齢層の患者さんと疾患が経験できるということ、また指導医の先生方の手厚い指導があるのがすばらしいと思いました。
 東京ベイ救急科の先生方、これからもご指導よろしくお願いします。


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2015年5月18日月曜日

伊東市民病院内科研修中

S1小林聡史と申します。

自己紹介→長野県須坂市出身、新潟大学を卒業。伊東市民病院で初期研修を行い、そのまま内科でお世話になっています。

伊東市民病院は静岡県の東、伊豆半島の東側にある中規模病院で、周りに救急病院がないため伊東市とその周辺の地域の救急車を一手に引き受けています。
ネットで軽く調べると、平成23年度の救急台数が3022台。常勤医は約30名程度です。

ちなみに救急台数日本一(今は違うかもしれません)の湘南鎌倉総合病院は、2012年の救急台数が13458台、平成27年の常勤医は212名でした。(ネット調べ)
重症度が違うから一概に比較できないかもしれません(伊東は多発外傷や重症熱傷などの3次は基本診ません)が、当院の救急はやっぱり忙しい部類に入るんだろうなと思います。


そんな伊東市民病院での出来事を2点お届けします。


伊東市民病院は救急科立ち上げの最中で、今はまだ日中の救急を各科の医師が持ち回りで担当しています。私は週に2回日中の救急外来当番をしているんですが、この間は1時間に6台救急車が来ました。(自分一人じゃ無理と判断し、上にヘルプを頼みました)
心肺停止に肺炎にヘルペス脳炎(疑い)、ほかにも色々いらっしゃいました。救急対応中にも病棟から電話がかかってくるし、忙しすぎて思わず看護師さんと笑ってしまいました。そんな1日でした。


心房細動による出血性脳梗塞で入院中の方
出血も落ち着き、抗凝固薬も導入し、リハ病棟にうつる調整中の矢先、腹痛を訴えました。
お腹も軟らかいし、腹膜刺激症状もなく、そんな激痛という様子でもない。昼食も4割食べたし、その前に軟らかい便が多量に出たと。
でも心房細動があるからと思い、まずは単純腹部CT。上行~横行結腸がびまん性に拡張、上腸間膜動脈が上腸間膜静脈に比して1-2スライスだけ太い部分がありました。
そのころに採血の結果が一部出て、白血球28000台、乳酸40台。

やはり上腸間膜動脈塞栓症は否定できないと考えました。
ご家族に電話をし、口頭で同意を得て腹部造影CT撮影。
その際には「腹痛の原因を調べるために検査をしたい」ということだけ伝えました。
上腸間膜動脈塞栓が念頭にありましたが、ほかの重篤な病気というのも否定できない
→上腸間膜動脈塞栓症でした。
外科のdrとも相談し、手術は難しいだろうという返事をいただきました。

ご家族に電話をし、病院まで至急来院して頂きました。
その際には「先ほどの検査の説明をしたいので、すぐにいらして頂けますか?」とお話ししました。

ご家族が来院後、「厳しいお話をしなければいけません」と前置きをしてから話しました。
高齢で、PTが4台に延長していることなどから、オペは非常に厳しく、またオペを仮に乗り越えても短腸症候群になり一生点滴が必要になるかもしれないという旨のお話をしました。
ご家族から手術は希望せず、苦痛緩和のみとのお返事をお聞きしました。

モルヒネで緩和のみ行いその晩にお看取りとなりました。

いわゆるtelling bad newsの経験は何度かありますが、癌など慢性的な病気と違い急性発症の病気で、しかも良好な経過の最中であったこともあり、すごく気を使いました。
http://www.gi-cancer.net/gi/bnews/share.html(telling bad newsについて)
ご家族さんの受け入れは良好で、最期の場に立ち会うためにお孫さんに連絡を取るなどのセッティングもできました。

反省点としては、もう少し早い段階で心の準備をするための言葉をかけられたのではないかということです。
造影の同意書を取る段階では、上腸間膜動脈塞栓症という確信は持てなかったし、外科drと相談するまではどのくらい厳しい状態なのかというのもあいまいな理解でしたから、そのときに心の準備のための言葉をかけるのは難しかっただろうと思います。

その後病院へ来るように電話をするときに伝えるのが、本症例におけるベストタイミングではなかったかと思いました。


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救急の女か虎か

こんにちは、昨年度一度投稿させていただきました、S1の児玉です。
3月中旬から初期研修と連続で3ヶ月半、東京ベイ浦安市川医療センターの救急部で研修中です。
ベイ救急のシステマティックな診療体系についてはここでは割愛させていただきますが、ベイの救急では有用と思われるClinical Prediction Rule(CPR) を積極的に利用して診療に取り入れているのがひとつの特徴です。そんな中でも乳幼児の頭部外傷について頭部CTの撮影をするかどうかを決めるCPRである”PECARN”はもっともよく利用するCPRの一つです。
そんな”PECARN”に関して、先日記憶に残る患者さんがいました。
 8ヶ月の男の子が階段を上から下までごろごろ落ちて、頭の後ろに大きなたんこぶを作って救急外来に運ばれました。PECARNでいうと、中リスクに該当して、「経過観察をしても、CTをとってもよい」という結論になるのですが、僕は指導医の先生から「2日以上入院するような人が1%いるけがのためCTで早めに見つけられるかもしれないが、1万人に1人が将来脳腫瘍になる」ということを教わり、その事実を伝えた上でお母さんにCTを希望するか聞きました。お母さんは自分1人では判断できないからとお父さんとおじいちゃんに電話し、電話で説明し、様子を見ないと分からないからと2人が来院し、来院後も説明を繰り返したところ、息子の落下の原因は自分にあると思っていたお父さんは診察室でわんわんと泣き出してしまいました。その後お父さんは知り合いの脳外科医に相談し、それでも判断がつかなくて結局4時間迷った後に、CTを撮らないことにして帰って行きました。
 自分としては正しい情報を与えたはずなのですが、自分の中で答えの決まっていない問題はいくら説明しても患者さんは迷うだけ。初期研修で名郷先生に教えていただいた「女か虎か」の話を思い出しました。(興味のある方は下から読んでみてください。)自分の好きな話の一つです。
 その後、”PECARN"と合わせてCTと脳腫瘍の関係についても勉強しました。頭部外傷のお子さんは毎日のように救急外来に来ますが、怖がらせない程度に正しいことを伝えつつ、「○○なのでCTをお勧めします。」とか「○○なので家でしっかり見てもらって、△△のときはいつでも来てください。」と自分の意見を強調するようにしています。安全と安心を提供するためには、まだまだ学ぶことも経験することもたくさんあると感じる日々です。


女か虎かの全文訳↓10分くらいで読めますが、1日くらい考えさせられます。

http://f59.aaacafe.ne.jp/~walkinon/ladyortiger.html



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2015年5月10日日曜日

総合診療科研修

本文
S1呉明愛です。4月から練馬光が丘病院・総合診療科にて研修中です。

練馬光が丘病院・総合診療科の特徴は
①診る疾患の分野が幅広い
②勉強会が豊富
③科全体の雰囲気が良い
ではないでしょうか

①診る疾患の分野が幅広い
呼吸器感染症や心不全などのcommon diseaeはもちろん、初期研修中には診ることのなかった血液疾患や膠原病患者もspecialistに相談しながら担当しています。初めての骨髄穿刺を経験したり、関節痛の診方やステロイド治療について学んだりしました。
②勉強会が豊富
MKSAPやEBMの勉強会、毎週血液内科や感染症のexpertをお呼びしレクチャーをしていただいてます。自分自身も只今EBM勉強会の準備中です!
③科全体の雰囲気が良い
歓送迎会はもちろん、誕生日の方がいればケーキを買ってきてお祝いをしたりします。4月は3回もケーキ会がありました。来月はサッカー観戦予定とのことです!

すでに総合診療科での研修が1/3終了してしまいましたが、残りの期間多くのことを吸収したいと思います。


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2015年5月2日土曜日

救急科研修


S2山田宏貴です。4月から練馬光ヶ丘病院での救急科研修が始まりました。
初期研修を過ごした病院は救急科直属の医師がおらず、内科の医師が
救急対応をしていたので、ER直属の先生方と仕事させていただくのは
初めてで勉強になることが沢山あります。

そして、勤務体制もON、OFFがはっきりしているため、自分の時間が
しっかり取れて充実しております。

状態が不安定な患者に対応するのは正直非常に苦手なのですが
(医者として、どうなんでしょうか?笑)
少しずつ、苦手意識も減ってきたような気がします。

最近では、肩関節脱臼の整復について、
faresでも、ゼロポジションでも、3S法でもなく、
ただマッサージをするだけで整復されてしまうという、動画が
アップされていて非常に面白いと感じました。

ご興味のある先生は是非検索を。

地域医療的なトピックが一つもなかったので、
こんな感じで終わりたいと思います。

それでは皆様良いGWを!(我々は無縁ですかね)



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