2017年6月26日月曜日

奈良でも研修を!

地域医療のススメ 専攻医S2の佐々木貫太郎です。

現在、奈良市都祁診療所で研修しています。
診療所で研修を始めて、3カ月が過ぎようとしています。診療だけではなく、超音波検査や上部消化管内視鏡検査などの検査もスキルを磨きながら、研修に励んでいます。
今まで診療所で働いたことはなかったので、不安が強くありましたが、診療所の関係者の方々は優しく、何よりも地域住民の方々が違和感なく、自分を受け入れてくださっているので、とても仕事がやりやすいと感じています。
一日の流れは、午前中に外来や検査、午後からは予防接種や禁煙外来、往診などを行っています。病院より時間はゆっくり流れていますが、患者さんや地域との距離が近く、今まで経験したことのない雰囲気の中で研修ができていると思います。
奈良県での研修は地域医療のススメの中では、まだまだマイナーだと感じています。奈良県には、研修の先輩はいますが、同期はいません。研修をする上で他の専攻医の方々と連絡や話し合いでできることは素晴らしいと思います。ススメの研修では、ビデオ会議などの機会はありますが、やはり会って話をしたいと感じる時もあり、奈良県で研修をする専攻医が増えてほしいと思っています。研修を少しずつ盛り上げて、徐々に奈良の専攻医の数が増えたら良いなと思います。
興味がある方は是非とも奈良まで足を運んでみてください!

写真は、診療所から撮影した目の前の林です。意味は何もないです。文字だけでは寂しいので写真を入れてみました。

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2017年6月21日水曜日

近況報告

ススメ研修医の富田です。
4月から6月にかけては与那国町診療所で研修をしています。与那国での近況報告をしたいと思います。

当初、離島(台湾のすぐ隣の日本最西端の島)に行くということで、3か月間生活をしていけるのかどうかも心配していましたが、意外と日常生活には困らず過ごせています。住居は診療所の中にある一室をお借りしているので宿代はなく、近くに食事処、居酒屋も数件ですがあるので、自炊をしない自分でも食事にもあまり困らず生活できています。島で手に入らないものもアマゾンで数日はかかりますが購入できます。
また自分以外にも学生や初期研修医が日本各地から来ており、常に4人ほどは研修に来ている状態なので、一緒に飲みに行ったり、釣りして海を泳いだりと楽しく研修できています。
与那国町診療所での研修にあたっては、診療だけでなく与那国の民具・織物作りや民謡楽器、与那国馬の乗馬体験、長命草の収穫、高齢者のお宅を訪問して与那国の話を聞いたり、島の保育園に行って園児と遊んだりと、与那国のことが知れるようにいろいろな体験をさせて頂くことができます。
設備に関して診療所でも一般的な血液検査はでき、CTも設置されているので、一連の検査はだいたい可能です。ただやはりあらゆる訴えの患者さんがくることや、基本的に常に24時間対応であること、搬送に飛行機やヘリを使わないといけないことなど離島でしか経験できないような医療を経験できます。また与那国町診療所ではFasciaリリースを研修することができるのも大きな魅力です。

与那国での研修も残すところ1週間ほどとなりましたが、本当に楽しく過ごせて様々な貴重な体験もでき、また、新たな知識・手技を身に付けることができ充実した研修ができたと感じています。離島での生活、医療など興味ある方がいましたら、ぜひ与那国島での研修をおすすめします。

Drコトー診療所

与那国島の集落

島の風景①

島の風景②

六畳浜

日本で最後に沈む夕日




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2017年6月17日土曜日

只今、北海道で研修中

 専攻医3年目の山田恭裕と申します。現在は北海道の十勝いけだ地域医療センターにて研修させて頂いてます(今年4月~来年3月まで)。
 北海道の冬を体験したく今年4月から北海道に上陸いたしました。最近暑く汗ばむ日も多くなり、北海道もやっぱり夏は暑くなるのだな~と憂鬱です。
 自分の研修病院は、S1:350床、S2:200床、S3:60床程度と徐々に病院の規模が小さくなっていくるように選択しました。徐々に病院規模が小さくなるにつれ、自施設で対応できる検査も減っていき、高次病院に精査・加療をお願いする事例が増えています。寂しい思いも多いですが、無事治療が終了し自分の前に元気な姿で戻って来た患者さんと再会すると「元気そうやん、よかった、よかった」とテンションがあがります。自分で入院管理し、退院した患者さんと再開してもあまりテンションは上がりませんが・・・、不思議です。また、高次病院に転院させた方や紹介した方の紹介状の返書がやたらと待ち遠しくなります。フィードバックが欲しいからなのか寂しさからなのかわかりませんが、不思議です。
 いろいろな地方で生活し、様々な経験をしたいと考えている医学生や初期研修医の方がいれば「地域医療のススメ」はオススメです。是非見学にきてください。


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2017年6月14日水曜日

日光より はじめまして。


 「地域医療のススメ」S1の川堀と申します。相乗りの形で2年間初期研修をした東京北医療センターにも、総合診療科の後期研修医1年目として所属させて頂いています。

 今は栃木県の日光市民病院でお世話になっています。一応支援という形で、同じくススメ同期の横田と来ているのですが、2人とも4月に3年目になったばかりで、戦力としては頼りなくて申し訳ないね、と2人でよく話しています。そんな不安な気持ちを市民病院の小池先生に打ち明けると「いやいや。頭数だよ、ははは」と笑い飛ばして下さいました(笑)。
先生方がいつでも相談しやすい雰囲気を出して下さるので、1人での全科当直中でも、日中の外来中でも、本当に不安な時は先輩の先生方に相談します。自分で解決できるようもっと力をつけねばと思いつつも、医療はチームで成るということを実感し、そんな空気を作って下さる先生方に心から感謝します。自分もいつかはそういう場を作る側になろうと思います。いつも一緒に働いて下さるコメディカル・スタッフの皆さんも本当にプロフェッショナルで素敵な方ばかりです。3ヶ月限定(7月からは東京北医療センターの総合診療科で研修の予定)ですが、ススメ専攻医のスタートをここで切ることが出来て本当に幸運だったと思っています。
 日光では診療の知識や技術だけでなく、「とにかく患者さんを診にいけ」「大事なことはベッドサイドで患者さんが教えてくれる」など、医師として大切なことを教えて頂いていると思います。仕事終わりに先生方と飲みやご飯に行くのも楽しみの一つです。
 話は変わりますが、この前患者さんに「先生、詩をかいたの」と見せてもらいました。そのままの転載は控えますが、「足腰を痛めて二本杖でも足りない、人生は長い道 病室からのそよ風が道しるべ」という内容の素敵な詩でした。難聴と認知症でコミュニケーションが取りづらいなあと思っていた方でしたが、こんな世界が見えていたのだと驚き、コミュニケーションが難しいと自分で勝手に思い込んでいたことを反省しました。認知症や意識状態などは医療者側が決める客観的なスケールでしかなく、それで「話しても理解が出来ない人」と決めつけるのはとても失礼なことだと思います。
 「優しいふりをしている人は患者さんにすぐに伝わる」これも以前小池先生が仰っていたことです。患者さんに主観的に寄り添うにはどうすればいいか、まだまだ試行錯誤と修行が必要だと思いました。

 長くなってしまいましたが、これからも自分が理想とする家庭医を目指して一歩一歩地道に進んでいきたいと思います。


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2017年6月7日水曜日

東京ベイER: ”あおいくま”との3ヶ月

 こんにちは.ススメS2になりました上柴です.12ヶ月の練馬光が丘病院GIM研修を経て、4月から3ヶ月間の救急研修を東京ベイERで行わせて頂いております。以下、文系出身で(のに?!)思いが溢れて長文ですがお許し下さい(笑)。

東京ベイを知ったのは、医学部4年性の時に遡ります。JADECOM奨学生として参加させて頂いた女川町立病院東日本大震災支援の時でした。
2011年3月下旬、余震で割れそうな窓ガラスに囲まれながら寝袋が寄せ集まった医局で、女川町の復興の話の延長上に、震災による液状化現象で再開発が難航している浦安の病院の名前が上がりました。日米から支援に来られた先生方が、何とか国際基準の内実共に新しい、従来の日本には無かった理想の病院を作りたいと話されており、その熱気からすごい病院ができるんだと強く印象に残っていました。今回その病院でローテできる事となり、密かに感動しながら4月を迎えました。

 病院全体の特徴として“あおいくま”・ERの特徴として“帰宅指示書”があるのでそれらについて書かせて頂きます。
“あおいくま”は東京ベイの病院理念で、“あせるな・怒るな・威張るな・腐るな・負けるな”の頭文字からなっているそうです。344床で年間救急車搬送8000台以上、救急車応需率95%以上という36524時間断らないERの病院にあって、この理念を実行されている先生方にお会いできる事が非常に貴重と感じています。救急指導医の先生方は忙しい時でも縫合やシーネ固定等どんな基本的な事も丁寧にご指導下さり、家庭医としてもう1度こういった基本手技を学びたかった身には非常に有難い環境です。またベイの救急コースの同期は、様々なCriteria(例えば小児頭部外傷へのCT適用のPECARN Ruleなど)を使用する際、Inclusion Criteriaまできちんと考慮する姿勢があり、忙しさを言い訳に質を落とさないprofessionalismが感じられ刺激を頂いています。また、 マルチプロブレムの症例をどんなに沢山入院でお願いしても嫌な顔1つせず対応下さる内科の先生方、他各科専門家の先生方もオンコールに爽やかかつ穏やかに対応して下さいます。更に、コンサルトした後の患者さんの転機について折に触れフィードッバック頂けるのは非常に良い振り返りとなります。

 ベイには“帰宅指示書”という患者様へのお手紙があります。疾患の概要、帰宅後の注意事項と再受診のポイントが書かれた紙で、他の救急病院でも決して珍しいものでは無いかもしれません。ただベイの指示書は40疾患分にも上り、かなり充実しています。北米型で、訴訟回避・リスク管理能力への意識が高いという見方ができると思います。その一方で、適切な管理や予想される臨床経過の具体的な情報提供は、余計な再受診の回避と共に本人の不安軽減に非常に重要であるのも事実で、患者さんの生活への目線という特徴もあると考えます。実際、患者様に初期の迅速な蘇生行為プラスで必ず「大変でしたね」の声かけを行うER医の姿からはそんなベイERの特徴としてのプライマリマインド?の様なものを感じます。また、生活への視点という点では受診を契機に禁煙指導まで結びつけたり、インフルエンザ検査の執拗な希望の裏に子育て不安を考えたり、虐待を考えたりといった主訴の根本的な問題まで視野に入れての対応を目指されていると指導医の先生から伺う事がありました。
社会のどんな立場の人も飛び込めるERの強みを考えればこういった活動の積み重ねが社会全体の健康のボトムアップにも繋がり得るのではと、ベイERに懐の深い救命救急を感じています。

とはいえ緊急対応を同時進行で求められる様な忙しい現場の中では、当然こういった長期的視点を持つ活動の限界を思い知ります。例えば糖尿病家系でありながら若くしてコントロール困難でDKAとなってしまった患者様や1度もカウンセリング受診もなく追い詰められて入室するなり涙を流される患者様など予防医学・長期的フォローの点で、僻地に限らず都市部でも家庭医が動ける余地があるのではと、再認識しました。

光が丘に引き続き、マルチタスクが苦手な自分にも根気よく、温かく支えて
下さったベイERの皆さまに感謝致します。残り数週間、「あせるな・威張るな・負けるな」を特に気をつけて、小児科に強い家庭医目指して精進を続けます。




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